3つの宝箱

私にとっての3つの宝物といえるプロレス・映画・学生時代の思い出や、日々の雑感を語るブログです。

あしたのジョ―についてその10(ジョ―をとりまく男たち 力石徹)3

 前回は、ジョーと力石の少年院でのボクシングでの初対決について書かせていただきました。
この試合でジョーと力石は引き分け、力石にとってジョーは見過ごせない存在になったことは書かせていただいた通りです。

 では力石にとってのジョーは、この段階でどのくらい意識されているのでしょう。
ジョーのことを宿命のライバルと認識しているのでしょうか。 
そうではないと思います。この時のジョーに対する認識は、「叩きのめす必要がある相手だが、対等のライバルといえる存在ではない。」
これが正解かと思います。

 そう思える根拠があります。
それはジョーと力石のボクシングでの初対決の後で行われることになった院内でのボクシング大会の時のことです。

 この大会で、段平はジョ―にディフェンスの重要さを教えるために、ジョ―の敵にまわります。青山という気弱だが、素直でボクシングに情熱を持っている院生にディフェンスを教え込みます。ジョ―ファンご存じの「こんにゃく戦法」です。
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 青山は、この戦法で勝ち進みジョ―と対決します。この時にジョ―は苦戦し、青山に負けるかもと危うさを見せます。この時に力石がその様子を見て
「どうやら、丹下段平直伝の防御テクニックへの
対抗手段を考えなくては、いけないかもな。」と
つぶやいてます。

 つまり力石は、決勝で戦う相手はジョ―ではなく青山と、ジョ―を見きってしまっているのです。
これが、この段階での力石のジョ―への評価と言うことです。
「他の相手に負けてしまえばそれまでの男」と冷静に考えているのです。
 この試合中にジョ―は、ディフェンスの重要さに気づき、見よう見まねでディフェンスを実践し青山に勝利します。
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 それでも力石にとって、ジョ―は宿命のライバルとまでは、認知されていません。
では、力石がジョ―を宿命のライバルとはっきり認めたのはいつでしょう。
 
 それは、間違いなくウルフ戦にジョ―が勝利した瞬間です。
この試合で、ジョ―は凄絶なウルフとのカウンタ―の攻防の末、トリブルクロスカウンタ―でウルフに勝利します。
この時に力石が思わず立ち上がり
「本物だった。本物だった。」とジョ―のことを心から認めます。
自分が全力で戦うに見合う相手であるとジョ―のことを認めたのです。
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 そしてジョ―の元へかけより
「ジョ―聞こえるか。次は俺が相手だ。」と握手を交わします。
これにより、ジョ―と力石の宿命の一戦への幕が開いたのです。
それはジョ―と力石の双方にとっての悲劇の幕開けでもあったのですが。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。