3つの宝箱

私にとっての3つの宝物といえるプロレス・映画・学生時代の思い出や、日々の雑感を語るブログです。

昭和プロレスを巡る謎その5(幻に終わったマスカラスの国際参戦)

 全日本プロレスと国際プロレスが、友好関係にあった時期にマスカラスが、国際プロレスに貸し出される企画があったようです。
これは、昭和53年に国際プロレスの吉原社長から全日本の馬場に要請があり話はほぼ決まっていたようです。
f:id:KINUGASA:20200221174443j:plain
 具体的には、全日本の夏のシリ―ズ終了後にそれに参加していたマスカラスが、そのまま残留し国際プロレスに1週間のみ特別参加するという話になっていたようです。
 その証拠を示すポスタ―があります。ポスタ―まで作られていたということが、話がほぼ決定事項だったということを示しています。
f:id:KINUGASA:20200221174507j:plain
 ところが、この話は直前でなくなりマスカラスの
国際プロレス参戦は実現しませんでした。ポスタ―まで作られていた話がなくなったのは何故でしょう。大きな疑問が今でも残っています。

 本当のところの理由は、今でも分かっていません。ただこうではないかと推測されている理由が、幾つかあります。
一つは、国際に参戦する予定の1週間のスケジュールを先にフリッツ・フォン・エリックが押さえてしまっていたので、マスカラスが参戦出来なかったというもの。
f:id:KINUGASA:20200221175236j:plain
もう一つは、マスカラス自身がマイナ―視されている国際プロレスへの参戦を嫌がったというもの。
 
 この二つの理由には、それぞれ疑問が残ります。
まずエリックが、先にマスカラスのスケジュールを押さえてしまっていたというもの。
これは、マスカラスを全日本に招聘する段階で馬場に分からないものでしょうか。これが事実ということであれば、ダブルブッキングということになり全日本プロレスの大きな落ち度になります。馬場の吉原社長への顔もつぶれます。またポスタ―などの損害賠償も払う必要が出るでしょう。
 何よりも、慎重な馬場がそんなミスを犯すとは思えません。したがって、この理由はないと思います。

 次にマスカラス自身が、国際参戦を嫌がったというもの。これはプライドの高いマスカラスなら、あり得るかとも思えます。しかしマスカラスが後にWING などのインディ―団体に出場したことを考えるとマスカラス自身は、あまり団体の大小にこだわりが、ないかと思えます。
 自分が満足できるギャラとマッチメ―クを与えられれば、団体の格にはマスカラスは、こだわりがないと思われます。したがって、この理由も説得力を欠きます。
 
 では、何故マスカラスの国際プロレス参戦は実現しなかったのでしょう?その謎を考えているとふと
私が中学生の時のあるエピソ―トが、頭によぎりました。

 それは、中学生二年生の夏のことでした。当時新日本の常連外国人になっていたアンドレ・ザ・ジャイアントが国際プロレスに特別参加することになりました。これは当時大きな話題になりました。私もこれは楽しみだなと思いました。そしてそのことを誰かに伝えたくなり、全日本プロレスファンのT君に
「今度、国際にアンドレが出るねんで!」と伝えたところ、T君がそれがどうしたと言わんばかりに
「アンドレが何やねん!どんなに国際が頑張ったってマスカラスは呼ばれへんやろ。悔しかったらマスカラス呼んでみい!」と言ったのです。
f:id:KINUGASA:20200221174720j:plain
 その時は、ただ苦笑いするだけでしたが、今になってよく考えてみるとこの時のT君の言葉にマスカラスが、国際に参戦出来なかったヒントがあると思えます。

 このT君の言葉が示しているのは、当時の小中学生にとって、アンドレよりもマスカラスの方が希少価値が高いことを示しています。アンドレを呼ぶことよりも、マスカラスを呼ぶことの方が難易度が高く凄いことと認識しているということです。

 恐らく、このことを誰よりも理解していたのは、他ならぬジャイアント馬場だったと思います。つまり他の団体が呼べないマスカラスを呼べる自分は、優秀なプロモ―タ―であり、それだけ力があるということを示していると理解していたと思います。
 またそれだけのブランド力のあるマスカラスを大事にしていたと思います。
f:id:KINUGASA:20200221175129j:plain
 実際に馬場は、全日本プロレスでのマッチメ―クではマスカラスの価値を落とさないように、凄く気を使っていました。馬場自身はレスラ―としては、マスカラスをあまり評価していないにも関わらずです。
 それだけマスカラスの持つ商品価値を高く評価していたということです。

 ここに今回の謎を解く鍵があります。つまり馬場自身が一番マスカラスの価値を落とされたら困るということです。
 ここからは、完全に私の推理です。恐らく馬場自身は最初からマスカラスを国際に貸し出す気は、なかったと思います。国際に貸し出すということは、その間は国際プロレスが、マスカラスのマッチメ―クを組むということです。そこには馬場は介在出来ません。そこで下手なマッチメ―クを組まれ、マスカラスのブランド価値が落とされることを馬場は憂慮したのだと思います。

 恐らく吉原社長から、この話が出た時に今までの関係性から馬場は、無下に断れなかったのだと思います。そこで、一旦は了承したものの後から、前述したような理由を考えて話を無かったものにしたと思います。
そうマスカラスのブランドを守るために。国際プロレスへの今までの恩義よりも、全日本の社長として今後のビジネスを考えて、シビアに行動した。それが、私が考えた結末です。
 ただ馬場にとってこの件は、やはり吉原社長に対して負い目が出来たと考えたと思います。その罪滅ぼしか、その年の年末の国際プロレスの日本リ―グ戦に全日本の主力を貸し出しています。
 本当のところは今となっては分かりませんが、私自身はこのように考えています。

 一プロレスファンとしては、国際プロレスへのマスカラス参戦を見たかったような気もします。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。