3つの宝箱(あるいは思い出という名の公園)

私にとっての3つの宝物といえるプロレス・映画・学生時代の思い出や、日々の雑感を語るブログです。

立命館大学の思い出その10(裏切りの新日本、大阪の夜。)

3回生の秋に友達と新日本プロレスを見に行った時のことです。1987年の9月17日に大阪府立体育館に行きました。
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当時新日本プロレスは、全日本から出戻ってきた長州が中心となった新旧世代闘争で盛り上がっていました。
これは長州が猪木を中心とする現状のトップ勢(旧世代)から自分たち新世代へのトップの交代を公言して戦いを挑んだものです。
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本来は長州と敵対している藤波や前田とも手を組んでの新旧世代闘争は、新日本の興業の柱となり大阪でもその大会が開催されることとなったわけです。

何故その興業を見に行ったのかには、大きな理由がありました。当時長州が全日本との契約問題でテレビ朝日の新日本プロレスに出られない状況でした
そのため長州が出場する大阪大会のメインイベントは当然テレビ放送されないため、生観戦しないと見ることが出来なかったのです。
事実新旧世代交代の第一弾として、東京の両国で開催された世代交代イルミネーションマッチの第一弾は、ノーテレビでした。なおかつ大変面白い試合だったとの評判だっため、その第二弾の大阪大会をどうしても見たかったのです。

ちなみにこの時のイルミネーションマッチとは、お互いに5対5で戦い負けた選手が退場していき、最後まで選手が残った側が勝ちという試合方式です。
東京の第一弾が好評だったので、大阪で第二弾となったわけです。
旧世代側が猪木・坂口・斎藤・藤原・星野、新世代側が長州・藤波・前田・マシン・高田という顔ぶれで試合が始まる前日まで友達と試合展開を想像して楽しんでいました。

当日は会場も超満員で、セミファイナルまで滞りなく進行し、いよいよメインイベントになりました。
旧世代と新世代が一人一人それぞれのテーマ曲に乗って登場してくると、その度に会場は大盛り上がりで完全に雰囲気は、出来上がっていました。
この時驚いたのは、長州と前田の二人への声援が完全に猪木への声援を上回っていたことです。
何か本当に世代交代をみんな期待しているのかと思ったものです。
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選手が全員登場した後に異変がおきました。猪木が何か星野に耳打ちすると星野が控え室に引き上げてしまったのです。私はエッと思いましたが、その後にもっと驚くことが起きました。
猪木の「おーい。出てこい!」の掛け声と共に何とテーマ曲が鳴り響き、ディック・マードックが入場してきたのです。
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私は唖然とすると共に、落胆と憤りを感じました。
その理由が二つあります。一つは事前に発表されていたメンバーを何の説明もなしに変更したこと。私は星野と新世代のからみ、特に前田との対決を楽しみにしていたこともあって理由なしの変更に本当にガッカリしました。
もう一つはマードッグがメンバーに入ることによって、当初の新旧世代交代というテーマがぼやけてしまうこと。世代交代に全く関係ない外人のマードッグが入ることにより日本人同士の世代交代をかけた戦いという意味合いが薄れてしまうのです。
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一緒に見に行った友人も同じ思いだったようで、「ひどいな猪木」と憤ってました。しかし観客の多くはこの交代をむしろ喜んでいるように見えました。星野より強力なメンバーのマードッグが入ることにより、より試合が面白くなると考えているようでした。

ただ私はこのメンバー交代が意図する最悪の事態を考えて(まさかな)と思いつつも嫌な予感を感じていました。
私の不安をよそに試合が始まりました。先発は長州とマードック。私の不安はますます高まりました。
案の定試合が始まって二分足らずで、二人が揉み合って場外に転落し、二人共失格になりました。
(あーあっ、やっぱりな。)と私は自分の予感が的中したことに大いに落胆しました。

つまりこういうことです。前述したように当時長州はテレビ朝日に出ることが出来ない状態でした。つまり長州が勝ち残っていると試合をテレビに流せない。逆に言えば長州を早めに消してしまえば残りの試合は放送出きるわけです。
ただ長州を猪木達、旧世代に負けさせる訳にはいかない。そこであえて世代闘争に関係ない外人のマードッグを登場させて、長州を真っ先に脱落させた。
これにより、後のメンバーによる試合は丸々テレビ放送出きることになったのです。

恐らくテレビ朝日の意向から考えられたシナリオだと思いますが、私は本当にガッカリしました。長州がテレビで見れないから、わさわざ入場料を払って試合を見に来たわけです。イルミネーションマッチ自体も長州がいるのでノーテレビだから生で見ないと見れない。そう考えてきたのを丸ごと裏切られた訳です。長州が脱落した後の試合は、それなりに熱戦で面白かったと思いますが、裏切られた思いの方が強く心の底から試合は楽しめませんでした。
友人のT君も同じ思いだったようで、「二度と新日本プロレスは見に行かない。」と言っていました。
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実際にお金を払って会場に見に来ている観客の気持ちを考えない猪木及び新日本プロレスの姿勢が、後の両国国技館の暴動などを起こす原因になったのかなと思います。裏切られた気持ち一杯の後味の悪い試合観戦でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。