3つの宝箱(あるいは思い出という名の公園)

私にとっての3つの宝物といえるプロレス・映画・学生時代の思い出や、日々の雑感を語るブログです。

あしたのジョーについてその5(ジョーを取り巻く女性達、白木葉子後編)

過去2回、白木葉子について書いてきました。今回が最終回です。
結論からいうと白木葉子は、純愛の人。最後までジョーに対して愛情を持ち続けた人と思います。
あれだけ、ジョーに邪険にされてもめげることなく一途な愛を持ち続けた女性です。
葉子は、作品中でジョーから、さんざんな仕打ちを受けています。
公衆の面前で罵倒され、水をかけられ、ある時ほ居留守を使われ、それでもジョーを思い続ける。これを純愛と呼ばず何と呼ぶのでしょう。葉子の一途さには頭が下がります。
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過去2回で書かせていただいたように、葉子は最初からジョーに反発しながらも惹かれる部分があったのでしょうが、大きな分岐点は力石の死だと思います。
力石が死んでからは、葉子は言わばジョーに対する思いへの枷がなくなったのだと思います。
力石が生きていた時は、力石を白木ジムをあげてバックアップする必要があり、葉子も心の奥底にあるジョーへの思いが顕在化する間もなかったと思います。

力石が死んだ後、本来であれば白木ジムをたたんでも良かったはずです。それをしなかった葉子。そこにはジョーをバックアップしたいという思いがあったはずです。
実際に葉子のジョーへの献身ぶりは、驚くほどです。力石戦後、相手のテンプルを打てなくなり、スランプに苦しむジョーのためにカーロスリベラを招聘。ジョーが野性味を失った時は、ハリマオを招聘。ジョーがパンチドランカーと判明した時はそれを伝えるべく雨の中ジョーを待ち続ける。これほどまでにジョーに尽くしてくれています。
肉親でも、これほどにしてくれるだろうかという献身ぶりです。

そして葉子が、とうとうジョーに告白する訳です。
場面は、ホセとの世界戦直前のジョーの控え室。
パンチドランカー症状に既に犯されているジョーを廃人にする訳にはいかないと葉子は試合を止めるように訴えます。
しかし、聞く耳を持たないジョー
そこでとうとう葉子が、
「好きなのよ矢吹くん。あなたが!!」と告白します。
「あしたのジョー」の中でも屈指の名場面です。
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この時ジョーは、驚いた顔をしています。
今までジョーは、葉子の思いに気づいてなかったのでしょうか。
それよりもジョーは、葉子のことをどう思っていたのでしょう。
私はジョーも、葉子のことが好きだったと思います。
それには、根拠が二つあります。
一つは、カーロス戦の後白木ジムにジョーがファイトマネーを受け取りに行った時です。
勝手にジョーのファイトマネーを増額した葉子にジョーは怒ります。そしてこう言います。
「なぜあんたとは会うたびにまともに話し合い、別れることが出来ねえんだ。」
これは、裏を返せばジョーも、別に葉子と争いたい訳でないということです。
葉子がどうしても男の領域に踏み込み過ぎるので、ジョーも怒ってしまうということて、本音は葉子と争いたくないということです。
もう一つは、葉子が告白した後ジョーは、
「女が軽々しくそんなことを口にするんじゃねえ。 実に安っぽく見えるぜ。」と口にしています。
これもジョーの思いの裏返しかと思います。葉子には、そんな安っぽいことはしてほしくない。凛とした葉子であって欲しい。
そこにジョーの葉子への本音が見えます。
そしてホセとの戦いが終わった後ジョーは、葉子に血まみれのグローブを
「あんたにもらって欲しいんだ」と手渡します。
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これが、葉子の告白に対するジョーの回答であり、二人は相思相愛だったと思います。
武骨なジョーなりの、葉子の思いに対する愛の回答は読んでいて胸を打ちました。
(ジョーも葉子を受け入れたんや。)と子供なりに理解したものです。
「あしたのジョー」は、ボクシング漫画でありつつも、矢吹丈と白木葉子の恋愛漫画の側面もあるところに当時感動したものです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。