3つの宝箱(あるいは思い出という名の公園)

私にとっての3つの宝物といえるプロレス・映画・学生時代の思い出や、日々の雑感を語るブログです。

ダ-クサイドに堕ちかけた兜甲児

今回もマジンガ-Zの話です。マジンガ-Zには原作者の永井豪とは、別バ-ジョンの漫画が存在します。
桜多吾作というダイナミックプロに所属する漫画家によるもので、「冒険王」という雑誌に連載されていました。
永井豪の原作との違いは、何というか登場人物の生々しい感情が描かれているところで、時には小学生が読むと引いてしまうような描写もありました。その最たるものが、今から書く話です。

この話は、のっけから凄くてまず兜甲児が高校を留年したところから始まります。
その留年した理由というのが、ドクタ-ヘルの機械獣から人々を守るために日々戦った結果、出席日数が足りなくなったというものです。
私は(うわっリアルやな。)と子供心に思いました。確かにあれほど、頻繁に機械獣と戦っていれば学校にも行けなくなり、出席日数も減り留年もするでしょう。
(でも、そこをリアルに描く?)と驚いたのです。永井豪なら、まずそういう部分は描きませんからね。

留年した結果、兜甲児が妙にみんなに慰められてかえって傷ついてしまいます。中にはボスのように面白がってからかい半分のものもいたりします。
それで、甲児が光子力研究所を飛び出してあしゅら男爵に拉致されてしまいます。

ここからの展開がまたリアルで、あしゅら男爵が兜甲児に「仲間にならないか。」と持ちかける訳です。この誘いかたが、また巧みに甲児の心理をついてきます。
「よく考えろ。日頃平和のために戦って誰がお前に感謝する。誰も感謝しない。挙げ句のはてには高校留年だ。そんな奴らのために戦って何になる。
それより俺と手を組んで、世界征服をしてうまい物を食ったり、美女をはべらかせたり楽しく好き勝手にやろうじゃないか。」
このあしゅらの誘惑に何とあの甲児が、ぐらついて一瞬ですが考えてしまうんですよ。
最初は、(え-っ、迷うの兜甲児)って思いましたが、よくよく考えてみたら迷うのも無理ないかなと思いました。

日頃命懸けで、みんなのために戦ってるのに感謝もされず挙げ句高校留年だったら、あしゅらの誘惑に乗って好き放題するか考えてしまうのも無理ないかと思いました。
(兜甲児も人間やし、そら考えるわな。)と子供ながらに甲児の心情を思いやったものです。
結局甲児は、理性を取り戻してあしゅらの要塞を破壊して、脱出しますが考えさせられる話でした。
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何より小学生向けの漫画雑誌に、こういう人間の泥臭いところを描く桜多吾作版のマジンガ-Zに驚きつつも、魅了されたことを思い出します。

最後まで読んでいただきありがとうございました。